Coffee break
治療法に関するインフォームド
大島 伸一
pp.156
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901469
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今時,インフォームド・コンセントって何だ,などと言おうものなら,白い目で見られることは確実であろう。今では,インフォームド・コンセントを得ないで医療を行うことなど出来ないような風潮である。ところで何をインフォームするのか。診断に至るまでの検査については,まあそれ程,どこでも違いはなかろう。病院によっては重装備の診断機器のあるなしによって診断に至るまでの検査内容や手順に違いがでてくるかもしれない。しかし,例外はあるにしても,許容範囲と考えてよかろう。診断については,どの泌尿器科医もそれ程違いはなさそうである。さて,治療である。ある疾患に対する治療はそれぞれの施設ではどのように行われているのだろうか。どの泌尿器科医に聞いても,そこそこ同じ答えが返ってくるのだろうか。膀胱炎のようなものから,前立腺肥大症,難しいものでは進行した膀胱癌や前立腺癌のようなものまで,だいたい同じような治療が,同じ疾患をもった患者になされていると考えて良いのだろうか。実は私は大いに疑問を持っている。どの様な疾患に対しても,その時代における最良の治療があるはずだ。技術や薬は常に進歩するからすでに確立されたかのようにみえた治療法が,さらに良いものに変わることがある。
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