画像診断
尿管自然破裂をきたした交叉性融合腎
細谷 吉克
1
,
荒井 哲也
1
,
金子 克美
1
,
本田 幹彦
1
,
鈴木 徹
1
,
高橋 悦司
1
1獨協医科大学泌尿器科
キーワード:
尿管自然破裂
,
交叉性融合腎
Keyword:
尿管自然破裂
,
交叉性融合腎
pp.701-703
発行日 1994年8月20日
Published Date 1994/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901278
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患者 55歳男性。
主訴 下腹部痛。
既往歴・家族歴 特記すべきことなし。
現病歴 1992年1月18日朝突然,下腹部痛・嘔気・嘔吐出現したため近医を受診し,治療を受けたが症状軽減せず,同日当院内科を受診し入院となった。尿検査にて顕微鏡的血尿を認め,当科紹介受診。左下腹部の圧痛著明であり,腹部エコー・静脈性尿路造影・CT等にて腎奇形および造影剤の腎盂・尿管外への溢流を認めたため,1月19日精査・加療のため当科転科となった。
検査所見 体温37.4度,血圧130/70mmHg,脈拍70/分,貧血・黄疸なし。血液所見:白血球14.900/mm3と高値を示した。血液生化学:血沈(1時間)62mmと亢進,クレアチニン1.3mg/dlと軽度上昇し,LDH436wuと高値を示した。尿所見:尿沈渣赤血球10〜15/視野・白血球3〜4/視野。
臨床経過 以上の検査より尿管の自然破裂をきたした交叉性融合腎と診断し,バルーン・カテーテルを留置し,抗生物質および輸液を施行したが7日後に疹痛の消失・全身状態の改善を認めた。血液・尿所見においても炎症所見は認めず正常となった。その後.保存的治療を継続したが経過は良好で,2月2日退院となった。
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