手術手技 基本的な手術・2
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竹内 秀雄
1
1公立豊岡病院
pp.475
発行日 1994年6月20日
Published Date 1994/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901231
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長山忠雄先生の手術手技は腎癌に対する経腹膜的腎摘出術について非常に分かりやすく書かれており,また腎茎部の処置に示指とデシャン氏動脈瘤針を用いるなど特徴がみられ,読者に参考となるだろう。
筆者は腎癌に対する腎摘出術として経腰的,経腹膜的アプローチの両方を行っている。すなわち腫瘍の直径が5cm以上のもの,腫瘍血栓のあるもの,周囲組織と癒着のありそうなものなどは経腹膜的に行い,小さいものでは腎部分切除を含め腰部斜切開(経11肋骨腹膜外)の経腰的に行っている。著者も述べているごとく腎癌に対してはまず最初に腎茎部の処理を行うことを原則としているが,経腰的アプローチでは腎の前面を腹膜とGerota筋膜の間をそーっとデリケートに剥離し腎茎部に達し処置するようにしている。経腰的に行う利点は腹膜外処置であり,合併症,侵襲度に差があると考えている。
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