Japanese
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特集 インポテンス—最近の治療法
4.補助療法による治療(Vacuum constriction deviceを中心に)
Therapy by Erection Aid Device: Especially Vacuum Constriction Device
片山 喬
1
,
坂井 健彦
2
,
水野 一郎
1
,
寺田 為義
3
Takashi Katayama
1
1富山医科薬科大学医学部泌尿器科学教室
2現京葉泌尿器クリニック
3現寺田医院
1Department of Urology, Facalty of Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
インポテンス
,
補助療法
Keyword:
インポテンス
,
補助療法
pp.641-645
発行日 1993年8月20日
Published Date 1993/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901005
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はじめに
近年penile prosthesisの移植,薬剤の海綿体内注射,血管障害性インポテンスに対する血管手術などの導入により,勃起機能障害に対する治療法は急速な進歩をとげたが,種々の問題点もあり,必ずしも満足できるものとはいい難い。勃起補助具は古くから民間で使用され,陰茎勃起を長びかせ,性交時間を延長させようという願望を満たすための手段として医療とは無関係に行われてきた。しかしこうした方法ではこれまで多くの陰茎損傷例があったと思われる。最近にもわれわれは金属性リングを悪戯で陰茎にはめ抜去不能となり,陰茎の腫脹,疼痛を訴え来院した症例を経験したが,この患者には金属切断器によりリングを切断することが必要で,かつ陰茎皮膚に断裂をみとめ,治癒に若干の時間を要した。陰茎絞扼により陰茎勃起を補助する方法が誤った形で行われれば,陰茎壊死などさらに重大な損傷を起こしかねないことはこうした症例をみても明らかであり,そのうえ尿道損傷を起こす危険もある。
しかし近年こうした勃起補助具も医学の眼で見直されるようになり,とくに陰圧式器具vacuumconstriction device(以下VCD)は比較的容易に勃起を起こさせ,さらに陰茎根部の絞扼により比較的安全に勃起を継続させることができるので,現在多くの勃起機能障害例の治療に用いられるようになった。
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