学会印象記
第22回国際泌尿器科学会に参加して
垣添 忠生
1
1国立がんセンター
pp.256
発行日 1992年3月20日
Published Date 1992/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900558
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昨年11月3日〜11月7日まで,スペインのセビリア市で第22回国際泌尿器科学会(SIU)が開催された.この学会の学問的な内容に関する報告は,いずれ学会印象記としてどなたかが正式に報告されるはずである.小生はこの学会に参加して覚えた雑感を二,三述べさせていただきたいと思う.
一つは,初日の午後に開かれた特別総会でSIUの公用語がメンバーの投票により英語と決定されたことである.これは科学の世界での公用語として広く英語が使われている状況がSIUにも及んだ,ということで,泌尿器科領域にあっても国際的な情報の伝達,意見の交換,討論は英語で行われる勢いにハズミがつこう.こうした会議の席上で"母国語に対する愛着"といった情緒的な意見が,特にスペインなどから多数述べられたのは驚きでもあったが,ともあれ,こうした決定をも踏まえ,我々は英語による自己表現の技術にさらに磨きをかける必要を改めて強く感じた次第である.また,この結果,次回からは同時通訳の必要性がなくなることより,学会運営の負担も軽くなり,学会参加費も安くなるはずで,いろいろな意味で歓迎すべき決定であった.この決議にこぎつけるまでに,日本側としては新島SIU副会長や阿曽理事長の多大な御努力があったはずである.
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