増刊号特集 専門性と多様性を両立させる! 泌尿器科外来ベストNAVI
●腫瘍外来●
転移を有する精巣胚細胞腫瘍
中村 晃和
1
1大阪府済生会吹田病院泌尿器科
pp.173-176
発行日 2022年4月5日
Published Date 2022/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207511
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代表的主訴
●無痛性の陰囊内容腫大.
・発熱や疼痛を認めない陰囊内の腫大.
・鈍痛を認めることもある.
●転移による諸症状.
・後腹膜リンパ節転移による腹部腫瘤.
・肺転移による咳嗽,血痰.
・リンパ節転移や骨転移による疼痛.
・脳転移によるめまい,頭痛など.
・HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)産生による女性化乳房.
Point
◉AYA(adolescent and young adult)世代で,代表的主訴のような症状を認めた場合,精巣腫瘍(性腺外胚細胞腫も含めて)を疑う必要がある.
◉精巣上体炎として,漫然と抗菌薬投与を行わないことが重要.
◉まずは超音波検査および腫瘍マーカー(AFP,HCG,LDH)の測定を行う.
◉HCGの測定には,単位がmLU/mL(IU/L)のキット(total HCGやintact HCG)を用いる.
◉転移を伴う進行性精巣腫瘍の場合は,IGCCC(international germ cell consensus classification)に従い,化学療法を行う.
◉腫瘍マーカーが正常化するも腫瘍が残存する場合は完全切除を検討する.後腹膜リンパ節郭清(RPLND)が最も頻度が高い手術となる.
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