Japanese
English
綜説
精巣胚細胞腫瘍の分化
Differentiation of testicular germ cell tumor
上野 宗久
1,2
Munehisa Ueno
1,2
1埼玉医科大学国際医療センター泌尿器腫瘍科
2埼玉医科大学国際医療センター前立腺センター
1Department of Urooncology, International Medical Center, Saitama Medical University
キーワード:
精巣腫瘍
,
レチノイン酸
,
細胞分化
Keyword:
精巣腫瘍
,
レチノイン酸
,
細胞分化
pp.455-463
発行日 2008年6月20日
Published Date 2008/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101511
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要旨 精巣胚細胞腫瘍は悪性腫瘍としての特性に加えて,多彩な分化能を保有しており,ヒト体細胞の成熟過程を解析するにあたり極めて重要な存在である。臨床的にも精巣胚細胞腫瘍は固形癌の中で最も化学療法に感受性が高く,抗癌剤投与による殺細胞効果の発現のみならず,未分化な腫瘍細胞から奇形腫や骨・軟骨などの正常細胞への誘導も散見されることは興味深い。一方,細胞培養の技術の向上から,精巣腫瘍細胞株への樹立を通じて胚細胞の実験モデルが作成され,細胞・分子レベルでの分化機序の解明がなされてきた。本稿では胚細胞の分化誘導について国内外の研究状況を概説するとともに,われわれが最近樹立した細胞株の特徴およびレチノイン酸を用いた同細胞の分化誘導について言及する。
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