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編集後記
小島 祥敬
pp.774
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207345
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編集後記を執筆している今,東京オリンピックが終盤に差しかかっています.コロナ禍での開催については賛否両論ありましたが,そんな議論も忘れ去られたかのように毎日熱戦が繰り広げられています.アスリートたちが“命を懸けて”闘う姿には凄まじさと美しさが共存しています.そしてオリンピックでは,時として金メダルよりも価値のある感動のドラマが生まれます.
競泳女子の池江璃花子選手は,2019年2月「白血病」と診断されたことを自ら公表しました.1年半後の2020年に予定されていた東京オリンピックにおいて,金メダルが確実視されていた池江選手が,東京オリンピック直前に突然の病魔に見舞われたことに,日本のみならず世界中に衝撃が走りました.そして,何よりも人生をかけて東京オリンピックを見据えて努力を重ねてきた彼女にとって,病魔に見舞われたことのみならず,当時東京オリンピック出場の道が閉ざされたことは,「想像を絶する苦悩と絶望」に追いやられたことであろうと容易に想像できます.
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