特集 令和最新版! 泌尿器がん薬物療法―手元に置きたい心強い一冊
企画にあたって
北村 寛
1
1富山大学大学院医学薬学研究部腎泌尿器科学
pp.727
発行日 2020年9月20日
Published Date 2020/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207011
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泌尿器科診療のなかで,悪性腫瘍に対する薬物療法の役割は年々大きくなっています.さらに新しい治療が次々に登場し,どのがん種においても治療は多様化してきています.
日本の泌尿器科医は,外科的治療(手術)と内科的治療(薬物療法)を第一線で行ってきました.これはわれわれ泌尿器科医が自負してきたことで,素晴らしいことと思います.そして,これからも当分はこの状況が続くと思われます.しかし,外科医に負けない手術と内科医に負けない薬物療法の両方のスキルを維持していくことは,年々困難になりつつあります.また,これまではどちらかというと,外科的手技や術後管理を外科から学ぶことはあっても,がん薬物療法を内科から学ぶことは少なかったのではないでしょうか.実際には,薬物療法に関しても,そのエキスパートから学ぶべきことがたくさんあります.がん薬物療法の理論や各薬剤の作用機序の理解,エビデンスの正しい解釈と実臨床への適用,適切な有害事象マネジメントと最新支持療法の実践など,泌尿器科医は臨床腫瘍学の標準を一度は身につけておくべきであり,今回の特集を企画するに至りました.
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