増刊号特集 泌尿器科診療の最新スタンダード―平成の常識は令和の非常識
腫瘍
部位別
腎細胞癌:病理診断
三上 修治
1
,
新井 恵吏
2
,
金井 弥栄
2
1慶應義塾大学病院病理診断科
2慶應義塾大学医学部病理学教室
pp.10-15
発行日 2020年4月5日
Published Date 2020/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206846
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
以前の常識
・腎細胞癌の組織学的異型度はFuhrman分類に基づいて分類していた.
・低異型度の長径5mm以下の乳頭状〜管状構造を呈する腎腫瘍は乳頭腺腫,長径5mmを超える乳頭状〜管状構造を呈する腎腫瘍は乳頭状腎細胞癌と診断していた.
・囊胞性腎腫瘍では,多房囊胞性腎細胞癌,囊胞性腎腫,混合上皮間質性腫瘍(MEST)などの鑑別が必須であった.
現在の常識
・淡明細胞型腎細胞癌,乳頭状腎細胞癌の組織学的異型度はWHO/ISUP分類に基づいて分類する.
・低異型度の長径15mm以下の乳頭状〜管状構造を呈する腎腫瘍は乳頭状腺腫であり,長径15mmを超える乳頭状〜管状構造を呈する腎腫瘍では,乳頭状腎細胞癌,粘液管状紡錘細胞癌,MiTファミリー転座型腎細胞癌,hereditary leiomyomatosis renal cell carcinoma(HLRCC)随伴腎細胞癌,集合管癌などの鑑別が重要である.
・囊胞性腎腫瘍では,低悪性度多房囊胞性腎腫瘍,MESTファミリー(成人型囊胞性腎腫,MEST)などの鑑別が必須である.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.