交見室
TURBTは視野方向30度スコープで行おう(硬性鏡使用時は視野方向・視野角を意識しよう)
三木 誠
1
Makoto Miki
1
1新宿石川クリニック泌尿器科
pp.86-87
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206176
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最近ある若手医師から,TURisシステム(灌流液を生理食塩水としたTURシステムで,アーク放電がループ全体に発生し安定した鋭い切れ味が得られ,膀胱腫瘍切除に適している)で高齢男性のTURBTを施行したが,一部腫瘍が見えにくいところにあり,取り残してしまったという話を聞いた.よく聞くと視野方向12度のスコープしか購入しておらず,TURBTにもそれで対処していたという.私はTURBTに際しては,視野方向30度スコープを使用して切除操作を行い,切除後も検査用70度スコープで膀胱内全域を確認することを原則としている.TURBTは球型腔内の壁の切除であるから,少しでも側方が見やすい30度スコープが適しており,TURPはあたかも管腔内での操作であるから,視野角内でループの長いストローク全体がよく見え,長い切除片が得られる12度スコープが適しているのである(図1).
そもそもわれわれのTURis開発の目的の1つが,TURBT時の閉鎖神経反射軽減であり1, 2),視野方向30度スコープを使用し種々検討しており,臨床現場のTURBTでは30度スコープを当然使用していると考えていた.そしてオリンパスでは,TURisシステムでも12度および30度のスコープをそろえて販売しているが,価格の関係か12度スコープしか購入していない施設があり,TURBTにもそれを適用しているらしい.
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