小さな工夫
ロボット支援前立腺全摘除術におけるフォーリーカテーテルを用いたサントリーニ静脈叢処理時の貯留液回収法
大津 晃
1
,
竹澤 豊
1
Akira Ohtsu
1
,
Yutaka Takezawa
1
1伊勢崎市民病院泌尿器科
pp.365
発行日 2017年4月20日
Published Date 2017/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206011
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前立腺全摘除術において,サントリーニ静脈叢処理時の出血はよく経験する.当院ではロボット支援前立腺全摘除術において,バンチング処理をせずにサントリーニ静脈叢を処理する.頭低位の角度をつけたり,輸液量の調整をすることで多少の出血コントロールは可能であるが,それでも処理の間,出血が続くことがある.助手は吸引管から生理食塩水をかけて切離面を明らかにするが,体内に貯まった出血と生理食塩水の吸引を同時にこなさないと,貯留面が上昇し,出血が多い症例では切離面がみえなくなってしまうことがあり,術者は時にストレスを感じることがある.
当院ではこの問題を解決するべく,第二助手がフォーリーカテーテルを用いて出血と生理食塩水を体外へ排出する方法を考案した.方法は簡便で,16Frフォーリーカテーテルを外尿道口から前立腺の膀胱頸部切離面まで挿入して,カテーテルの側孔で貯留液を回収できるような位置で固定する(図).すると,気腹圧の効果で,吸引圧をかけなくても自然とドレナージすることができる.
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