特集 エネルギーデバイスの極意─原理と特性を手術に活かす
企画にあたって
近藤 幸尋
1
1日本医科大学医学部泌尿器科学講座
pp.299
発行日 2017年4月20日
Published Date 2017/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205996
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ここ30年間の手術室での手術機器の変遷を考えると驚きを隠せない.30年前には電気メスがあるくらいで,現在はあまり使用されていない第4のメスと称されたキャビトロン外科用吸引装置(cavitron ultra surgical aspirator : CUSA)が肝臓や腎臓の切除に使用されはじめたくらいであった.それに比べて現在では,本特集のようにすべての機器を取り揃えている手術室は少ないものの,少なくとも半分以上は取り揃えているという手術室が多いと思われる.
小職もそうであるが,このような機器を使用する際には,学会や論文で情報を得たうえで製造販売会社に連絡をとり,試用を経て購入する運びとなる.その際にその機器の使用法および特性に関して,メーカーの技術員から情報を得ることが多い.ちなみに,機器を使用する前に取扱説明書を熟読し,その使用に臨む先生方はどれだけいらっしゃるだろうか.小職のように,「どの手術のどんな箇所で使用するか」「どのような手技が禁忌手技であるか」は心得ているつもりでいるが,実際にそれがどのような原理で成り立っている機器かの理解に関しては,案外乏しいのではないかと思われる.
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