書評
IRCADに学ぶLSCテクニック─竹山政美/野村昌良 編著
寺地 敏郎
1
1東海大学医学部外科学系泌尿器科
pp.638
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205754
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TVMと比較して,LSCの最も大きな利点は見える手術であることと思う.術野の解剖が全て見える.自分が行っている手技が全て見える.適応を間違えず,自分の行いたい手技を遂行する十分な技術があれば,全てが見えることは外科医にとって何より安心である.そして,特記すべき本書の特徴は,LSCの手術のとき見えるもの全てを,見なければならないもの全てを見ることができる点である.活字とわずかな写真と図だけでは,読む人の想像力の豊かさによって見えてくるものが限られる.ビデオだけでは,見る人の能力の範囲でしかものは見えない.本書は必要十分な写真を網羅し,その写真の術野を作る助手の手技まで言及し,かつ手術のDVDも付いている.LSCをこれから始める人も,始めてみたがわかったつもりの角でつい立ち止まってしまう人もその都度,本書を手にされることをお勧めする.
さあ,本書を手にとって開いてみよう.本書には筆者らの,フランス式ともアメリカ式とも異なる,より繊細で美しい“日本式”LSCを作り上げようとする熱い気持ちが詰まっている.
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