増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
10 周術期
予定手術
消化管術前処置
上里 昌也
1
1千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
pp.244-245
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205650
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治療方針 薬物療法の概要と狙い
泌尿器科領域における消化管術前処置の検討を要する術式は,膀胱全摘術で回腸を遊離する回腸導管や自排尿型代用膀胱(新膀胱)の尿路変更を伴う場合と,結腸・直腸に直接浸潤し合併切除を余儀なくされる場合である.
近年,術後早期回復を導くエビデンスのある手法を総合的に取り入れた術後回復強化(enhanced recovery after surgery : ERAS)プロトコルを大腸癌手術時に適応させる施設が多くみられる.当科においても,ERASプロトコルを適応させて消化管術前処置を一定管理している.そして,経口摂取の制限,下剤,浣腸の必要性を最小限に抑えて,術後早期回復を得ている.経口摂取の制限は上部消化管内の残渣に,下剤そして浣腸の薬物療法は下部消化管内の残渣管理を目的とする.
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