増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
9 腫瘍
標準治療
精巣癌
河合 弘二
1
1筑波大学医学医療系腎泌尿器外科学
pp.188-191
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205635
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疾患の概要
精巣に発生する悪性腫瘍には胚細胞癌のほかに悪性リンパ腫や悪性中皮腫などがあるが,本稿では大部分を占める精巣胚細胞癌(以下,精巣癌)について述べる.精巣癌は20〜40歳台に好発し,たとえ転移していても適切な化学療法と手術療法を行えば90%近くの症例で治癒が期待できる.後腹膜リンパ節と肺が好発転移部位で進行例では肝,脳,骨などの肺以外の臓器にも転移を来す.診断時に転移を認めない病期I症例でも精巣摘出後の再発を予防する目的でBEP 2コース(非セミノーマ)やカルボプラチン単剤(セミノーマ)による術後補助化学療法が行われることがあるが,本稿では転移例に対する化学療法について述べる.
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