増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
9 腫瘍
標準治療
陰茎癌
末富 崇弘
1
1筑波大学医学医療系腎泌尿器外科学
pp.192-194
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205636
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疾患の概要
本邦における陰茎癌の頻度は人口10万人あたり0.4〜0.5人とされている.50〜60歳台に好発し,危険因子としてヒトパピローマウイルス(HPV16, 18, 6など),包茎,性行為感染症などが挙げられている.組織型は95%が扁平上皮癌であり,まれに悪性黒色腫や基底細胞癌などの報告がある.発生部位としては亀頭が最も多く,ついで包皮,体部となる.陰茎癌の転移の好発部位はリンパ節であり,特に鼠径部リンパ節転移を来しやすいが,腫大したリンパ節の約半分は炎症性の腫大である.5年生存率は50%だが,初発時にリンパ節転移があった場合は27%まで低下する.リンパ節転移の有無は予後に直結するため,CTやMRIなどの画像検査や,触知可能なリンパ節に関しては,エコーガイド下にfine needle aspiration biopsy(FNAB)が推奨されている.
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