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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
VI.各論5:泌尿器疾患(診断と治療)
7.精巣癌
Testicular Cancer
岸田 健
1
Kishida Takeshi
1
1神奈川県立がんセンター泌尿器科
キーワード:
精巣癌
,
診断
,
治療
Keyword:
精巣癌
,
診断
,
治療
pp.441-446
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001645
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1 はじめに:精巣癌とは
精巣腫瘍は精巣にできる腫瘍の総称であるが,そのほとんどが胚細胞腫瘍といわれる精子起源細胞由来の悪性腫瘍である。日本泌尿器科学会他編の第4版取扱い規約では「精巣腫瘍」と記載されているが1),次の改訂版では「精巣癌」として上梓される予定であり,今回の解説においても精巣癌として記載することとする。頻度としては10万人に1~2人の希少癌であるが,20~30歳台の男性に好発し,いわゆるAYA世代(adolescents and young adults:思春期と若年成人)と呼ばれる15~39歳の年齢層の悪性腫瘍で最も頻度が高い疾患である。進行が早く,手遅れで受診すると数カ月以内に亡くなることもあるが,有効性の高い治療法が確立しており,進行癌であっても適切な治療で完治に導ける可能性は高い。希少癌であり,診療経験を積むことは難しいと思われるが,一般病院でも経験することはありうるので,最低限押さえておくべき精巣癌の診断,治療について解説する。
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