特集 女性下部尿路機能障害のベストマネジメント
企画にあたって
加藤 久美子
1
1名古屋第一赤十字病院女性泌尿器科
pp.235
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205179
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- 文献概要
泌尿器科から出た女性泌尿器科と,産婦人科から出たウロギネコロジーが合流して,女性骨盤底医療というsubspecialtyが盛り上がっていることは側聞されているかもしれません。2006年に日本女性骨盤底医学会ができたときは,人に言うたび,「そんなオタクな会があるんですねえ」と感心されたものですが,泌尿器科,産婦人科が各々約350名,全体で700名を越える学会に成長しました。下部尿路症状(LUTS)は男性では前立腺,女性では骨盤底が重要なキーワードとなるように性差が大きく,2013年には日本排尿機能学会が『女性下部尿路症状診療ガイドライン』を上梓しています。本特集は,骨盤臓器脱に力点をおいて,女性LUTSの最近の話題をわかりやすく紹介します。
女性患者は苦手だとか,癌が専門だとおっしゃる読者も多いと思います。でも女性LUTSは高齢社会で激増しており,米国女性だと生涯にその11%が尿失禁か骨盤臓器脱で手術を受けるといわれています。基本的な診かただけでも知っておくと,外来で悩みを聞くのが苦行でなくなるのではないでしょうか。その意味で,問診と内診の項は必読です。また,超音波検査やMRI検査,尿流動態検査が女性骨盤底の評価にどう用いられるか,男性の場合と引き比べて読むと興趣が増します。
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