文献抄録
英国結石治療センターにおける100例の尿管結石治療について
pp.756
発行日 1987年9月20日
Published Date 1987/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204561
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英国の結石治療センターでは,1982年までは尿管結石の治療は尿管切石術が主流であつたが,1984年以降はESWL,PNLやUreteroreno-scopeなどの併用による治療が主流となつている。筆者らは同センターで,1984年11月から1985年11月の1年間に治療した100例の尿管結石の治療方法とその結果について述べている。100名の患者は男性85名,女性15名で,平均年齢46歳である。このうち48名は以前に尿管切石術をうけており,2名は単腎者である。結石の介在部位は,上部48.6%,中部20.7%,下部30.6%。当センターの治療法は,上・中部にある結石は原則として逆行性操作で結石を腎盂内にもどしてからESWLで破砕する。
逆行性操作は膀胱鏡を用いて0.35mmの動脈撮影用のガイドワイヤーを結石部まで通し,ついでワイヤーを介して7Fr.のカテーテルを結石部まで挿入しワイヤーは抜去する。カテーテルから20mlの生食水を急速注入して結石を腎盂内へもどす。腎盂内に結石が確認されたらカテーテル先端をUPJの位置に固定する。腎盂内の結石はESWLで破砕し,PNLにより摘出する。逆行性操作で結石の移動が不可能のときには,その位置にてESWLで破砕する。この際にはカテーテルから溶液または造影剤の注入を補助手段として用いる。
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