交見室
進行性睾丸精上皮腫の治療法について
武田 正之
1
1新潟大学泌尿器科
pp.538
発行日 1985年6月20日
Published Date 1985/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204075
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本誌第38巻12号に掲載された拙稿「PVB療法が奏効した肺転移を伴う睾丸精上皮腫の1例」に対して,赤阪雄一郎先生より御意見をいただき有難うございました(第39巻4号交見室)。御指摘の点を要約しますと,1)正確なstaging法,2) PVB, VABなどに抵抗性となつた場合のsecond-line chemotherapy,3)進行性精上皮腫に対する照射療法の意義と副作用,の3点であると思います。まず第1点につきましては先生方の御意見とまつたく同じく,画像診断技術や腫瘍マーカーの進歩にもかかわらず現在のところ臨床的にmicrometastasisを知る方法はないと考えます。第73回日本泌尿器科学会総会で藤目氏が脈管侵襲と転移との関係についての御発表をされておりましたが,現在の睾丸腫瘍取扱い規約には病用組織学的分類に脈管侵襲,リンパ管侵襲の項目が含まれておりません。今後この方面の研究が進むことを期待します。
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