交見室
睾丸精上皮腫に対する化学療法/慢性前立腺炎について
赤阪 雄一郎
1
,
近森 正昭
2
1東京慈恵会医大泌尿器科
2近森病院泌尿器科
pp.350
発行日 1985年4月20日
Published Date 1985/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204033
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「PVB療法が奏効した肺転移を伴う睾丸精上皮腫の1例」(本誌第38巻12号,武田氏ら)を拝読しましたが,seminomaの再発,進展例の治療経験の報告は比較的少なく貴重な報告と思います。この論文を読んで,私の経験から思いついたことを次に述べさせて戴きます。
seminomaの放射線感受性は高く,stage Ⅰ,Ⅱであれば,ほぼ100%治癒可能癌と考えておりますが,stage Ⅰ,Ⅱの一部やstage Ⅲでは治療成績が悪く,このための有効な化学療法が必要と思つております。この武田例では照射後の再発にもかかわらずCR 14カ月とのことですし,われわれも現在照射後の再発例に対しPVB療法を施行中ですが,最初の1コースですでに75%程の腫瘍縮小をみており,cis-platinumを含む化学療法は非常に効果が高いように思います。
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