文献抄録
精索麻酔による睾丸回転症の徒手整復
pp.112
発行日 1985年2月20日
Published Date 1985/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203973
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著者らは発症後20時間以内に診断した,16例の睾丸回転症を,精索麻酔を行つて非観血的徒手整復を試みて15例(93%)に成功した経験について報告している。
睾丸回転症の徒手整復に関する報告は少なく,最近ではNorris (1980)らが超音波コントロール下に整復した報告がある。睾丸回転症は罹患側睾丸の疼痛不快感が強いので,精索の局所麻酔を行わないと整復は困難である。精索の麻酔は罹患側の精索を左手示指と拇指で挙上し,著者らは0.5%Bipivacain塩酸溶液15mlで皮膚と精索の浸潤麻酔を行つた。これにより整復時の疼痛はほとんどなく操作は容易に行えるとしている。著者らの取扱つた症例は発症後20時間以内に睾丸回転症と診断された16例で,発症後の経過時間は平均6.5時間(3〜20時間)で,患者の平均年齢は24歳(17〜41歳)であつた。睾丸の回転は各症例によりそれぞれ回転の方向と角度に程度差があるが,右回転することが多く,更に尾部から頭部方向への回転が加わつて挙睾筋の攣縮が加わり,多くは180度以上の回転で固定されている。
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