手術手技
追加発言 2
白岩 康夫
1
Yasuo Shiraiwa
1
1福島医科大学泌尿器科学教室
pp.1066-1067
発行日 1983年12月20日
Published Date 1983/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203705
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尿道狭窄に対する治療法として最近,管腔内よりする手術が脚光を浴びてきている。狭窄部が短く,器具の挿入が容易である場合には最良の方法であろう。しかし,狭窄が高度でかつ長い時には外尿道切開術を行わざるを得ない。こうした場合,筆者は狭窄が長い時にはpull-through operation1),それ程長くなければ端々吻合を行うのを原則としている。その選択は狭窄部の長さ何cmを境界とするかなど一概には言えないが,おおよそ3cm以上あればpull-through operation,それに達しないものは端々吻合と考えている。端々吻合の場合,尿道の全周に縫合糸を掛けることができなくても,1糸でも2糸でもこれを掛け断端を引き寄せ,バルンカテーテルを挿入することができればよい。このようにするとかなり多くの例が端々吻合の適応となる。後部尿道狭窄は骨盤骨折に伴うものが多く,尿道の完全破裂により尿道狭窄が起こる場合も前立腺は損傷を受けず,膜様部尿道より末梢に損傷なり欠損なりを生じ狭窄を来すのが常である。したがつて,後部尿道狭窄において狭窄部を発見しそれを切除することができればpull-through operationによらずに端々吻合で対処し得るものと考えている。
次にどのような手術を行つているのか,われわれの手術法について述べる。この方法は私が弘前大学にいた時分に,舟生教授によつて始められた方法2)で,以来この方法を踏襲している。
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