Japanese
English
綜説
新しい尿路造影剤
The New Urographic Contrast Media
岡田 洋一
1
,
鈴木 宗治
1
Yoichi Okada
1
,
Soji Suzuki
1
1東京医科歯科大学医学部放射線学教窒
1Department of Radiology, Tokyo Medical and Dental University, School of Medicine
pp.955-962
発行日 1983年11月20日
Published Date 1983/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203682
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はじめに
今日,腎や膀胱の形態を観察するには必ずしも造影剤を使用する尿路撮影が必要なわけではなく,RIシンチグラフィや超音波断層撮影さらにコンピュータ断層撮影(CT)で多くの場合十分な情報を得ることができる。しかし,尿路系についての詳細かつ総合的な診断学的情報を得ようとすると,従来どおりの造影剤を用いる尿路撮影が必要欠くべからざるものとなる。
尿路造影撮影には逆行性腎盂撮影のように造影剤を逆行性に注入する手技と経静脈性に造影剤を注入する排泄性尿路撮影があることは言うまでもない。排泄性尿路撮影が現在のように安全でかつ臨床上有用な検査法として広く行われるようになるについては,副作用のほとんどない水溶性有機沃度造影剤が開発され市販されるようになつたことが大いにかかわつている。経静脈性排泄性尿路撮影の歴史は,1923年Osbornらが駆梅剤として経口的あるいは経静脈性に投与した沃化ナトリウムが尿に排泄され患者の腎盂および膀胱を造影しているのに気づいたことに端を発している。しかし,沃化ナトリウム溶液は毒性の点で問題があり経静脈性尿路造影剤として臨床的に広く受けいれられるには至らなかつた。
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