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講座
泌尿器科医に必要な形成外科手技(4)—FC Flapの理論と応用
Plastic Surgical Techniques in Urology (4): Fasciocutaneous Flap; Theory and Clinical Applications
丸山 優
1
Yu Maruyama
1
1東邦大学医学部形成外科学教室
1Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Toho University School of Medicine
pp.883-889
発行日 1983年10月20日
Published Date 1983/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203668
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はじめに
軟部組織欠損の修復再建における皮弁(flap)の有用性は論を待たない。とりわけ皮弁移植は,近年形成外科領域で最も進歩をなし,またその発展はめざましいものがあつた。
McGregor1)は皮弁をaxial pattern flap, randampattern flapの2つの血行形態としてとらえ,Daniel2)は血管を中心とした皮弁のとらえ方を推し,大動脈より皮膚への血行を三者に分けて説明した。なかでもある特定の栄養血管に養われるaxial pattern flapへの理解は,血管茎とする島状皮弁(island flap)の生着を可能とし,さらにマイクロサージェリーの技術導入による,皮弁の栄養血管と移植床の血管との直接吻合による遊離皮弁(free flap)はその適応をさらに拡大した。1970年代半ば以降,筋肉と所属血管を含めた筋,筋皮弁(muscle, musculocutaneous flap)という新たなsubstanceの導入は再建法に革命的ともいうべき多大の変化をもたらし,安全性と手技の容易さにより形成外科領域での手術手技として温存されるに至つた。一方,適応の整理や機能的消失が考慮され,これらを減少させる工夫が見られるようになつた。
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