Urological Letter
持続灌流切除と稀釈性低ナトリウム血症,他
pp.813,886
発行日 1982年9月20日
Published Date 1982/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203417
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持続灌流によるTURの際に防がねばならない問題の一つは,前立腺のTUR中に起こり得る稀釈性低ナトリウム血症である。この切除鏡を使用することはTURの術者に稀釈性以外の低ナトリウム血症症状を起こすような感じを与える。しかし,不幸にもこのことは正しくないことが立証されている。筆者はこの切除鏡を使い初めてから5年間に稀釈性低ナトリウム血症を5例(1.4%)経験している。液の流入をしばしば中断したにもかかわらず,流入圧が高すぎたせいで,しばしば静脈洞を認め得なかつた。膀胱がコラップス状態になり,切除片が前立腺窩内に落ちているときには,吸引が多すぎるかあるいは灌流液の流入が不十分なためである。膀胱が液で充満していて切除片が奥の方にある時は吸引が不十分なためかあるいは吸引器の口が切除片でつまつていることが考えられる。こういう状態だと膀胱内圧が高まつて開いた静脈洞から灌流液の吸収を増大させることになる。CytalあるいはSorbitolのような等張液を使えば溶血の方は最小限にすることができるが,稀釈性低ナトリウム血症の発生を防ぐことはできない。
吸引圧および吸引器内への液の流入は,外回り看護婦に絶えず監視させておかねばならない。筆者らの手術室の壁に取り付けた吸引器の圧はACMIの手引書に従つて12〃〜20〃Hg圧にしてある。筆者らは灌流液を受ける瓶を5ガロン(約191)入りとしている。
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