Japanese
English
手術手技 外来小手術のコツ
副睾丸摘除術
Epididymectomy
澤西 謙次
1
Kenji Sawanishi
1
1京都大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Kyoto University Faculty of Medicine
pp.753-754
発行日 1979年8月20日
Published Date 1979/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202790
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- Abstract 文献概要
副睾丸摘除術に際しては,副睾丸炎の急性期に行なうことは原則としてさけ,化学療法を積極的に行なえば,化学療法の進歩した現在では炎症症状は急速に消褪し,硬結も2〜3ヵ月で消失することが大部分である。副睾丸結核の減少した今日,膿瘻形成を含めて難治性副睾丸炎が減少し,副睾丸摘除術を行なう頻度は極めて減少しているのが実情である。むしろ陰嚢水腫や,軸捻転症,睾丸外傷などで,陰嚢内容を見るため睾丸固有鞘膜に包まれた睾丸,副睾丸,漿液を含んだ鞘膜腔の切開時,副睾丸の異常,病変を認めたとき検査のために副睾丸摘除を行なうことの方が多いくらいで,はじめから副睾丸摘除術の目的で手術を行なう頻度は極めて少なくなつた。
私自身,副睾丸摘除術に際してユニークな術式を行なつていないことを最初にお断りすると共に,いかなる手術でも当然であるが,解剖学的識別,ことに副睾丸摘除に際しては,血管系,特に動脈系が静脈系に比較して極めて細いので,これの走行を解剖学的に十分理解しておくことが最も大切である。
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