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手術手技 外来小手術のコツ
副睾丸摘除術
Epididymectomy
伊達 智徳
1
Tomonori Date
1
1福島医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Fukushima Medical College
pp.745-747
発行日 1979年8月20日
Published Date 1979/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202788
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緒言
急性および慢性の非特異性副睾丸炎に対し積極的に副睾丸摘除術を行ない,就労までの期間を短縮するという報告もみられるが,化学療法剤の発達した今日,摘除を余儀なくされる症例は稀有と思われる。したがつて副睾丸摘除適応疾患は,結核性副睾丸炎が大部分である。しかし,結核の激減に伴い当然のことながら,本手術施行例も減少していると思われる。因に病院統計などを見ても,結核性副睾丸炎症例は,1機関年間10例以内であり,0〜1例という報告も散見する。
副睾丸摘除術を迅速かつ安全に行なうには,解剖学的位置関係をよく理解していることが肝要である。特に皮下膿瘍や瘻孔を形成した進行性結核性副睾丸炎では癒着が高度となる。手技の未熟による睾丸動脈の切断というような失敗は厳に戒むべきである。筆者は初心者に対し手技の熟練のために,前立腺癌症例の除睾術を行なつた標本で,副睾丸摘除を行なわせているが効果的である。
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