交見室
若年者の膀胱移行上皮腫瘍について
田崎 寛
1
1慶大泌尿器科
pp.406
発行日 1979年4月20日
Published Date 1979/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202736
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臨泌33巻2号の赤座氏らの「10歳台にみられた膀胱移行上皮腫瘍の2例」を拝見し,二,三感じたことを述べてみたい。
周知のごとく膀胱の移行上皮性腫瘍では,いわゆるpapillomaとpapillary carcinomaのごく分化したtypeとの鑑別は極めて難しい。またこの種の腫瘍の再発や悪性化を予知することも大変困難である。ところで赤座氏らが集計した通り,文献上に記載された40症例の組織型はpapillorna,papillary carcinoma,transitional cell Carcinomaなどと様々であるが,この中には分類法や病理学者によつて変わりうる例がかなり含まれていると考えられる。最近,泌尿器科学会においても膀胱腫瘍のresistryを作ろうということで,分類を中心に再検討が進められつつあるが,小児および若年者の例はまとめて1つのcontrol groupにならないだろうか。過去のものはともかく,今後の例は組織診断基準を一定にして全国的にまとめてみる必要があるように感じた。
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