Urological Letter
Ⅰ.経直腸的前立腺生検に対する抗生物質による感染予防,他
pp.172,188
発行日 1979年2月20日
Published Date 1979/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202700
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筆者は,生検針をより正確に前立腺に刺入できるという理由で,会陰部からの刺入よりも,経直腸的に刺入する方法を好んで行なつている。もちろん,直腸からの生検で問題になることは術後感染が約20%もあるということである。ここ3年間,抗生物質を併用してきたところ,まだ20例だが,感染が100%予防できた。
患者には,手術室に入れる前にClindimycin 300mgとObramycinかGentamicin 80mgを筋注するのである。そのあと更に8時間間隔で同じものを2回注射するわけである。グラム陰性細菌と嫌気性菌とが経直腸生検によつて血液中に導入されて菌血症が起こるのであるが,この抗生物質の併用で無菌にできるのである。この併用法で行なつた患者は全員,術前も腎機能が正常だったが,術後に腎にも胃腸系にも合併症は起こらなかった。
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