Urological Letter・187
膀胱鏡の光りがあかるすぎると問題だ
pp.595
発行日 1976年7月20日
Published Date 1976/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202191
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この稿の題は膀胱癌を発見しようとする時に内視鏡的所見を誤る可能性がある一つの原因を指摘するものである。
最近の二つの例がこの点を明らかにしている。すなわち,膀胱癌の再発のある2人の患者が6ヵ月毎の定期的膀胱鏡検査を受けることになつていた。2例とも一定の部位の粘膜が赤い木いちご様に盛り上つていた。これは外来診察室で白熱電球のついた旧式の膀胱鏡で診た所見である。そのあとこれらの患者が入院させられ,改良されたファイバースコープで膀胱鏡検査がなされた。ところが,ファイバースコープの前斜視鏡(foreoblique)でも直角視鏡(right angle)でも病変部がみつからなかつた。そこで現在は正常のようにみえるが,外来時の膀胱鏡所見で疑わしと思われた部位から生検材料を採り,かつあやしいところを焼灼しておいた。病理からは1人の患者のは膀胱の移行上皮癌でgradeはⅠ-Ⅱ,他の1人のは正常と報告された。
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