Urological Letter・168
前立腺癌の臨床的ステージンゲの改善
pp.115
発行日 1975年2月20日
Published Date 1975/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201913
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前立腺癌の臨床的ステージングの決定には,血清アルカリおよび酸フォスファターゼ,骨サーベイ,骨スキャン,骨髄フォスファターゼ,リンパ管撮影,そのうえ,できれば骨盤リンパ節切除という形での手術的ステージングの方法など多くの診断的検査が含まれる。上述の検査の総てがステージDの前立腺癌を除外したり,あるいは確認するのに必要である。しかもそれらの検査方法は前立腺の針生検による診断が確定してから後に行なわれる。
ステージAは前立腺癌の潜在型の一つであるが,このAは一つの生物学的現象である。ほとんど総ての泌尿器科医が,この群の症例に対してはそれ以上の治療をする必要はないことに賛成している。ステージCは一つの限局した形で,手術をすることが正当とは認められていない。ステージBは前立腺内にだけ限局したステージで,被膜に浸潤はないし,多くの泌尿器科医が手術的に全治しうる,すなわち,根治的前立腺摘出術で全治しうるステージと判断している。不幸にも,ステージBでさえも手術成績は満足とまでには到つていない。この手術方法での長期生存例には問題があり,根治手術による尿失禁の合併率が高いことについても検討しなければならない。そのうえ,摘出標本の病理検査ではしばしば臨床的にはステージを低くみていることが見出されている。すなわち,臨床上のステージBの多くの例は実はステージCでむしろリンパ節転移がかなり高率にある。
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