Japanese
English
綜説
前立腺結核
Prostatic Tuberculosis
安藤 弘
1
,
三浦 一陽
1
Ko Ando
1
,
Kazukiyo Miura
1
1東邦大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, School of Medicine, Toho University
pp.275-283
発行日 1973年4月20日
Published Date 1973/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201589
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はじめに
前立腺は解剖学的に尿路系と精路系の交点にあるもので,両系のいずれに結核感染がおこつても,容易にその影響を受け,また逆に,前立腺に結核が初発すれば両系路の臓器はやがて結核の洗礼を受けることになり,いわば尿路性器結核の要の位置にあるといえる。しかし,前立腺結核は慢性に経過して体内側に存在するため,日常診察にさいしては,ともすればover-lookされがちであり,事実十分な検索がなされないことが多く,治癒の判定治療の終了など曖昧なことが多い。
近年尿路性器結核も抗生剤の効果により,Rosenberg (1963)1)や近藤(1972)2)の述べるごとく,急速な減少過程を辿りつつあるが,Bruce(1970)3),Gow(1970)4)らの報告によれば,なお根強い残存と余燼を止め,重症例の増加が認められているという。
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