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副睾丸結核並びに前立腺結核の際の精液變化に就いて
黑田 和夫
1
1東京大學醫學部附屬醫院分院泌尿器科
pp.7-10
発行日 1949年1月1日
Published Date 1949/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200139
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精液に關しては.男子不妊症と云ふ立場から重要な研究の對象として現在まで多くの業績がある.そして直接精子の生産に關與する睾丸と副睾丸,輸精管,精嚢及び前立腺等の精子輸送路上に,先天的或は後天的に局處若くは全身性の要因が作用したとき,その影響は何等かの形で精子に及び,それが不妊を來す重要な因子となることは洽く知られた事實である.余は男子不妊症と云ふ立場からでなしに,副睾丸及び前立腺に發生した結核性病變が,精液に如何なる影響を與へるであらうかと云ふ黠につき,結核性副睾丸炎若くは前立腺結核を有する患者24人の精液を観察し得たので,その結果を簡單に報告する.
觀察の對象とされた患者は一側性副睾丸結核(6例),前立腺結核(5例),一側性副睾丸結核象前立腺結核(4例),兩側性副睾丸結核(3例),兩側性副睾丸結核兼前立腺結核(6例)の24例で,年齡は19歳より53歳に及び,内未婚の者11人,既婚者13人で,既婚者13人中9人は1人から6人までの子供を有してゐる.
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