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特集(増刊号の)5 尿路・性器疾患の化学療法(感染症と腫瘍)
Ⅲ.尿路・性器悪性腫瘍の化学療法
性器・副性器悪性腫瘍の化学療法の適応
Indications of Chemotherapy of Malignant Tumors of the Male Genitalia
黒田 恭一
1
Kyoichi Kuroda
1
1金沢大学医学部泌尿器科
1Department of Urology, School of Medicine, Kanazawa University
pp.163-170
発行日 1972年12月25日
Published Date 1972/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201528
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まえがき
男子性器および副性器の悪性腫瘍の化学療法については,内外の成書にほとんど記載が見られないように,普及の域に達していない。悪性腫瘍に対する治療の根本原則は手術療法であり,しかも早期根治手術が基本となつていることは,古今東西において不変である。しかしその適応範囲や遠隔成績は,各臓器によりかなりの差異が見られる。また補助療法にも各種のものがあり,その併用形式や組合せ法においても臓器による差異がいちじるしい。
補助療法を性器および副性器の悪性腫瘍についてみると,睾丸悪性腫瘍特に精上皮腫には照射療法が有効であり,前立腺癌の大多数例には抗男性ホルモン療法が有効で次善的地位を占めており,陰茎癌では新しい抗癌剤のBleomycinが脚光を浴びている。しかし陰茎癌の早期症例に対するBleomycinの著効性を除いては,化学療法の第1選択的適応は見当たらず,原発巣に対する治療法としての化学療法の地位は,他種療法との併用の線にしぼられている。
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