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特集(増刊号の)5 尿路・性器疾患の化学療法(感染症と腫瘍)
Ⅰ.尿路感染症の化学療法
小児の腎盂腎炎
小児尿路感染症と白血球機能,殊にNBTテストについて
Quantitative Nitroblue Tetrazolium Test in Infancy and Childhood with Urinary Tract Infections
大田黒 和生
1
,
鈴江 美都
1
,
近藤 賢
2
Kazuo Otaguro
1
,
Mitsu Suzue
1
,
Takashi Kondo
2
1国立小児病院泌尿器科
2ファーミタリア医学部
1Urological Department, National Children's Hospital
2Farmitalia
pp.71-75
発行日 1972年12月25日
Published Date 1972/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201516
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はじめに
尿路感染症に関する臨床上の問題は,①起炎菌自体に関する事項,②炎症の成立に関与する尿路の状況,③内的条件としての自然自己防禦機構の問題の3点に大別される。①については尿中細菌の同定,定量培養,耐性テスト等が日常ルーチンとして検査される一方,菌交代現象などが追究されている。②については頑固な反復性尿路感染症に対し,静脈性腎盂撮影を中心にした尿路撮影,内視鏡的検査などを行なうことが不可欠であるとの認識はすでに衆知の事実となつている。しかし,③に関しては抗体価,網内系機能,あるいは白血球機能の追究があるが,いずれも検査法自体に問題があり,信頼されるデータがえられ難いので,一般化されていない。尿路感染症の臨床的研究に際し,起炎菌や,尿路状況の追究のみでは片手落ちであり,同時にもうひとつの要因である内的条件としての自己防禦機構の解明が必要であることはすでに古くより指摘されてきた所である。ただ,その解明にどのようなアプローチをしていつたらよいのか,具体的な方法がまだ確立されていないのが現状である。
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