Senior Course 血液
NBTテスト
中島 弘二
1
1山口大・第3内科
pp.1250-1251
発行日 1974年11月15日
Published Date 1974/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908742
- 有料閲覧
- 文献概要
好中球の殺菌消化能
好中球は生体内に侵入した細菌などに対して遊走,貧食後細胞内で殺菌消化することにより細菌の侵入に対して生体を防御している.すなわち好中球は遊走,貧食,殺菌消化の能力を合わせ持つことにより細菌感染に対して生体防御の役割を持つものであり,それらの低下により生体は容易に細菌感染にさらされる.それらの能力の低下した例が疾患または症候群として認められるようになってきた.特に殺菌能力に関しては貧食した細菌を入れたファゴゾーム(phagosome)に対して種々の酵素系を持ったライソゾーム(lysozome)が融合し細菌の殺菌消化を行う.ライソゾーム内にはリゾチームをはじめ種々の殺菌消化作用をいとなむ酵素系が存在するが,なかでもKlebanoffらはrnyeloperoxidase (MPO)系が重要な役割を果たしているという.すなわちMPOはH2O2およびCl—,I—,Ba—のハロゲンイオンの3者の協力により強力な殺菌作用を発揮する.
殺菌消化時における好中球に起こる代謝過程の特徴はhexose monophosphate shunt (HMS)の著明な活性化にある(図).
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.