Japanese
English
パネルデイスカッション
先天性神経因性膀胱の診断と治療・1
Diagnosis and Treatment of Congenital Neurogenic Bladder (Part I )
辻 一郎
1
,
折笠 精一
2
,
今林 健一
3
,
小川 秋実
4
,
宮崎 一興
5
,
遠藤 博志
6
,
黒田 一秀
7
,
大田黒 和生
8
Ichiro Tsuji
1
1北海道大学
2北海道大学泌尿器科
3東北大学泌尿器科
4東京大学泌尿器科
5神奈川県立こども医療センター泌尿器科
6千葉大学泌尿器科
7福島医大
8国立小児病院泌尿器科
1Department of Urology, Hokkaido University School of Medicine
pp.563-574
発行日 1972年7月20日
Published Date 1972/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201413
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辻 脊椎奇形(脊椎破裂や仙骨欠損など)に伴う腰・仙髄形成不全に基づく先天性神経因性膀胱は小児の慢性排尿困難と尿失禁の原因として最も頻度の高いものであり,絶えざる尿失禁が患児と家族の精神的苦悩となるばかりでなく,放置すれば排尿困難・残尿を基としてかつ高率に続発する尿感染・膀胱尿管逆流も加わつて進行性の腎,上部尿路障害が起こり,成人期に達する前に腎不全やurosepsisで死亡するものも多い。先天性神経因性膀胱は神経障害の形式が多彩でかつ年と共に病像が変化してくることも多いうえ,対象が幼小児であるための診断,治療上の制約もあつて,成人の脊髄損傷の場合よりも一層問題が難しくなつてきます。
この問題についてわが国は欧米に比しかなり立ち遅れの現状にあり,また以下の各論者の意見にもかなりの差がありますが,本日のパネルで本症の診断,治療面の問題点を明らかにすることができて,今後の発展の一つの足がかりとすることができれば司会者として幸いです。
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