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特集(増刊号の)4 泌尿器と関連領域の症候レントゲン診断
Ⅵ.腎動脈性・副腎性高血圧症とレ線像
副腎性高血圧症のレ線診断
The Roentgenographic Diagnosis of Adrenal Hypertension
中村 章
1
,
坂田 安之輔
1
Sho Nakamura
1
,
Yasunosuke Sakata
1
1新潟大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Niigata University, School of Medicine
pp.265-287
発行日 1971年12月25日
Published Date 1971/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201309
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はじめに
副腎皮質および髄質の機能亢進に由来する高血圧症は,その大多数が手術によつて治癒し得る高血圧症(外科的高血圧症)であり,病態の認識が深まるとともに,従来,単に本態性高血圧症や原因不明の高血圧症として扱われてきたもののうちから発見され,手術される頻度が,近年著るしく増加している。その病態生理や内科的診断法についてはすでに詳細に述べ尽されているので,ここでは概略を記載するにとどめ,手術を行なう立場から,副腎病変の局在性の診断法,病変パターンの描出法などを,症例のレ線フィルムを紹介しながら述べてみたい。病変の局在性を決める場合,大きな腫瘍(褐色細胞腫や副腎皮質癌腫)では,腹部の触診によつて触知される場合もあろうし,褐色細胞腫の場合に腫瘍の圧迫によつて血圧の上昇を誘発するMassage testも,一応は行なわれる。また,下大静脈のカテーテリゼーションによつて種々の高さの静脈血を採取し,そのカテコールアミン含量を比較すれば,副腎外褐色細胞腫の部位診断には非常に有効である。同様に,原発性アルドステロン症やクッシング症候群の場合には,左右の腎静脈血中のホルモン含有量を比較することが有意義であろうが,測定法上の問題で現在のところ,実用に供されていない。
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