学会印象記
第59回日本泌尿器科学会総会印象記
西浦 常雄
1
,
酒徳 治三郎
2
,
百瀬 剛一
3
,
大越 正秋
4
,
園田 孝夫
5
,
黒川 一男
6
,
舟生 富寿
7
,
黒田 一秀
8
,
安藤 弘
9
,
仁平 寛巳
10
,
町田 豊平
11
,
赤坂 裕
12
,
新島 端夫
13
,
佐藤 昭太郎
14
,
熊本 悦明
1岐阜大泌尿器科
2山口大泌尿器科
3千葉大泌尿器科
4慶大泌尿器科
5阪大泌尿器科
6徳島大泌尿器科
7弘前大泌尿器科
8福島大泌尿器科
9東邦大泌尿器科
10広島大泌尿器科
11慈恵大泌尿器科
12昭和大泌尿器科
13岡山大泌尿器科
14新潟大泌尿器科
pp.583-590
発行日 1971年7月20日
Published Date 1971/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201200
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第59回日本泌尿器科学会総会(会長・高安久雄東大教授)は4月3・4日の2日間東京・世田谷区民会館で開催された<一般講演>
尿路診断法
山崎義久ら(三重大)は水溶性気管支造影剤を5〜10mlに空気を注入して排泄性膀胱二重造影を行ない,膀胱頸部の変化を動的に追及したが,頸部硬化症がBPHと異なつた像を呈するのが印象的であつた。伊藤弘世ら(千葉労災)も脊損患者について排尿時の膀胱頸部の態度を観察しているが,膀胱撮影はX線テレビの応用によつてその有用性を高め,器質的変化よりさらに進んで機能的変化の追及に進みつつある。藤田公生ら(国立がんセンター)は水溶性造影剤によるレリーフ造影を追加し,膀胱腫瘍の診断治療上膀胱撮影の重要性を強調した。水本竜助ら(日大)は膀胱像の外周の淡い陰影に注目し,これがIVPで1%,膀胱撮影で3%,BPHで15%,頸部硬化症で20%の頻度にみ,この排尿筋像の出現理由を組織学的に検討した。中新井邦夫ら(阪大)は家兎について諸刺激の外括約筋筋電図に対する影響を観察して報告した。福岡洋ら(横市大)は犬で動脈撮影の際に下大静脈を嚢カテーテルで閉塞すると,動脈像,静脈像,腎盂像が連続して描出され,小児腹部腫瘍への応用の可能性を追加した。小池六郎(杏林大)は膀胱鏡カメラをフィルム上により大きな像がえられるように改良し,4倍増感現像で1/15で撮影可能とし,3種の交換鏡をそろえた。
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