見聞記
アメリカの大学における研究生活—ウィスコンシン大学医学部臨床腫瘍学教室
吉田 修
1
1京都大学医学部泌尿器科
pp.411-414
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201167
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1970年12月,東京慈恵会医科大学で膀胱腫瘍に関するinformalな会合があり,町田豊平助教授のお招きでこれに参加し,非常に有意義で楽しい時間をもつことができた。その時,南 武教授にお会いして色々とお話しをうかがつたが,南先生は1958年頃The University of Cali-forniaに滞在され,1970年の第58回日本泌尿器科学会の総会でアメリカでの御経験にもとついて,日本における泌尿器科専門医の教育のあり方について講演されており(日泌誌,61;841-845,1970),自然に話題が日本とアメリカの医学教育の比較などにおよんだ。南先生のアメリカ御滞在と私のそれとはちようど10年間の隔たりがあり,私も自分の経験や考えを卒直に申し上げたが,こうしたことが今回この<見聞記>を書くようにと医学書院より依頼のあつた動機と思う。
しかし,よく考えてみると,マルコ・ポーロの「東方見聞録」は,彼らが訪れた「東方」が当時の西洋人にとつて遙かに遠い国々であり,「東方」に住んでいた人間の風俗,習慣が非常に珍しいものであつたから多くの人に読まれたものであろう。がしかし,今やアポロは3回も月世界まで行つて帰つて来る時代である。
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