Japanese
English
特集(増刊号の)3 小児の泌尿器疾患
Ⅳ.麻酔と管理
小児の術前術後管理
Pre and Postoperative Care of Pediatric Patients
高田 準三
1
Junzo Takata
1
1東京慈恵会医科大学第一外科
11st Department of Surgery, The Jikei University School of Medicine
pp.157-164
発行日 1970年12月25日
Published Date 1970/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201080
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.外科的処置のまえに
母体内にある時の依存的存在から,出産と同時に一個の独立した総合器官としての機能を営む新生児。この時期の生理的特徴は,すべての器官,機能の未熟さである。未熟な器官によつて内部の生理的変化に対応することはもちろん,外部環境にも順応すべき努力がなされている。
新生児期以後,解剖学的にも,生理学的にも徐々に成人のそれに近づき,生体予備力も次第に増加してくる。しかし年齢が長ずるにしたがい,精神感情の発育が盛んとなる。ここで患児に加えられる診断,治療行為のすべてが小児に与える精神的影響を常に考慮に入れる必要が生ずる。生後2年より学齢期までの患児ではとくに精神衛生への考慮が重要である。医師はもちろん,特に看護にあたる人によつて,デリケートな子供の心に目に見えない精神的傷跡を残すことがある。したがつて看護婦の役割が極めて重要となつてくる。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.