見聞記
米国のレジデント(2)—その生活について
岡田 清己
1,2
1Department of Urology, New York Medical College
2Flower and Fifth Ave. Hospital
pp.1065-1067
発行日 1970年11月20日
Published Date 1970/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201039
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レジデント時代は公私共に苦難の時代であることは,日本の医局員と変わるところがない。教授やアテンディングにつかえ,彼らから睨まれれば将来の栄光どころかレジデントを無事に終了することも覚つかない。また終わつてからの次の就職口への推薦状をもらうのも容易なことではない。レジデントは丁稚奉公であるという感じは強く,また強かつたらしい。だからレジデント時代の収入は低く,生活が苦しかつたとアテンディングが昔を語つている。仕事の厳しさは今も昔と同じ様につらいが,ここ5年ぐらいの間に,レジデントの収入は増加し,経済的には楽になつたという。この理由としては,生活費が高くなつたことおよびレジデントが弁護士をやとつて賃上げをやり,成功したためである。
それでは実際にレジデントがどの程度の収入を得,また病院からどの程度の恩恵をうけているか具体的な数字を示してみたいと思う。この統計はResident and Staff Vol 16, No.51970年およびDepartment of Hospi-tal, New Yorkの統計を参考とした。
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