Japanese
English
綜説
急性膀胱炎と上部尿路
Acute Cystitis and the Upper Urinary Tract
佐藤 昭太郎
1
,
鈴木 三継
1
Shotaro Sato
1
,
Mitsugu Suzuki
1
1新潟大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Niigata University School of Medicine
pp.217-224
発行日 1970年3月20日
Published Date 1970/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200885
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はじめに
急性膀胱炎,特に細菌性の膀胱炎は日常泌尿器科臨床で最も多く遭遇する,代表的な疾患である。これが通過障害や合併症を持たない限り,自然治癒の傾向を有し,抗生剤や化学療法剤によく反応することから,比較的安易に取り扱われがちである。簡単に急性膀胱炎の診断をつけて,ただ単に薬剤の投与を繰り返していることもある。一般に全身症状が軽微であるので,このように扱われているが,果して上部尿路に全く影響のないものであろうか。特に最近上部尿路感染症(腎盂腎炎)に対する関心が深まり,極めて重要な疾患であることが認識され,これらの原因的要素として下部尿路感染の存在,カテーテル挿入の功罪あるいは無症候性細菌尿の存在などが注目されている折柄,もう一度細菌性急性膀胱炎のさいの上部尿路への影響を考慮してみるのも有意義であろうと思う。
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