教室だより
新潟大学
中村 章
1
1新潟大学
pp.986
発行日 1967年11月20日
Published Date 1967/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200300
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新潟大学泌尿器科教室の歴史は,明治45年5月から大正5年1月まで第2外科として杉村七太郎教授が担当されたが.同年2月から昭和2年7月に至る12年間にわたり,高橋明教授(現東大名誉教授)が初めて皮膚泌尿器科として主宰されたことに端を発する。高橋教授のあとを橋本喬教授が引き継がれ,昭和24年橋本名誉教授の初代新潟大学学長就任を機として,昭和24年12月に東京大学より楠隆光教授をお迎えし,実質的な泌尿器科の独立をみた。楠教授は尿路変更法,膀胱部分摘除術,腎部分摘除術,腎移植,前立腺癌および膀胱癌の組織学的研究.性器結核,各種レ線撮影法,内分泌学的研究,内視鏡的手術等々広い分野にわたり,多くの業績を残され,当時黎明期にあつた日本の泌尿器科学の進歩に多大な貢献をなされた。楠教授が昭和31年12月に大阪大学へ赴任されたあと,昭和32年2月に高安久雄教授を東京大学よりお迎えし,昭和34年4月には文部省から講座の新設が公認され,新潟大学泌尿器科教室は皮膚科と完全に分離し,名実共に充実することとなつた。高安教授が腎機能および急性腎不全の研究,前立腺癌における内分泌学的および電子顕微鏡的研究,尿路の形成手術,内分泌疾患,尿路結核等々多方面において多くの優れた業績を残されて,昭和38年6月に東京大学へ赴任されたあと,佐藤昭太郎教授が引き継がれ,現在に至つている。
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