見聞記
アメリカ外科学会・ニューヨーク地方会(2)
中村 宏
1
1慶応義塾大学医学部泌尿器科
pp.826-828
発行日 1967年9月20日
Published Date 1967/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200254
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「小児の下部尿路疾患に対する手術の適応」はDr.R.Keith Water-house (N.Y.State Univ.)が司会して,Drs.Guy W, LeadbetterJr.(Massachusetts General Hosp.),Alexander J.Michie (Pennsylva-nia Univ.),John H.McGovern(Cornell Univ.),James F. Glenn(Duke Univ.)がパネリストで行なわれた。Dr.McGovernは尿路感染症を有する小児に膀胱頸部Y-V形成術のみを行ない,4年以上follow-upし得た患者の結果について述べた(第3表)。このうち術前41あつた逆流が,Y-V形成術のみにより,尿管再移植術なしに,23になつたのは注目に価する。Dr.Glennは膀胱頸部狭窄の外科的治療法として,TUR,Y-V形成術,尿道切開術を行なつているが,尿道ブジーによる拡張術には疑問を持つていた。Dr.Leadbetter Jr.も尿道ブジーによる拡張術よりも,尿道切開術の方が良いといつていた。その理由は,尿道切開術は切開線が規則的で,最小の瘢痕組織を残して治癒し,長期間十分な内腔を有している。これに反して尿道ブジー拡張術は組織の切れ目が不規則で,多くの瘢痕組織を残す。
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