文献抄録
尿管腫瘍のレ線学的診断/前立腺剔出術後の溜置カテーテルによる細菌尿の抑制について
pp.24,50
発行日 1967年1月20日
Published Date 1967/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200075
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尿路腫瘍の中で最も診断の困難なものは尿管の原発性腫瘍である。尿管腫瘍の場合には排泄性腎盂撮影で腎機能障害の程度により尿管腫瘍像の描出は必ずしも期待出来ない事があり,また腎機能が余り障害されていない時でも尿管の全長に亘つてこの像を描出することは仲々困難である。そこで尿管カテーテルによる逆行性撮影が行われるが,カテーテルによる全尿管像の描出は尿管内に1乃至2cmのカテーテルを挿入して少量の造影剤を緩徐に注入する方法が非常にすぐれている。この方法で全尿管像を撮影することで腫瘍の有無を診断することが望ましい。勿論,尿管腫瘍の診断には尿の腫瘍細胞診,内視鏡所見,尿管動脈撮影所見等も参考にしなければならない。尿管腫瘍による尿管通過障害が強い時には結核性尿管狭窄,無造影結石,嚢胞性尿管炎との鑑別が大事である。
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