書評
「臨床でよく出合う 痛みの診療アトラス」―Steven D. Waldman 原著/太田光泰,川﨑彩子 訳
仲田 和正
1
1西伊豆病院・整形外科
pp.669
発行日 2014年8月20日
Published Date 2014/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103656
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この本は運動器の痛みを網羅的に集大成した大変美しい本です。特に筋筋膜疾患や絞扼性神経障害に重点が置かれています。ほぼ全ページにカラー図解があり大変わかりやすい本です。私自身,今まで知らなかった病気がたくさんあるのに大変驚き,愛用のポケット解剖書にせっせと書き写した次第です。他にこのような類書を私は知りません。
舌骨症候群とか,ゴーグルの眼窩上神経圧迫で起こる前頭部痛(Swimmer's headache),スーパーでもらうビニール袋に商品を詰め込んで2,3本の指で提げることによる指の麻痺(plastic bag palsy)など「こんな疾患があるのか!」と大変驚きました。その多くは知識として知っているだけで診断できる(snap diagnosis)疾患ですが,知らなければ診断できません。一通り読んで,こんな疾患があるんだと知っているだけでも良いと思います。
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