今月の主題 消化性潰瘍とその周辺
消化性潰瘍と類縁疾患
Zollinger-Ellison症候群
青木 照明
1
,
柏木 秀幸
1
1東京慈恵会医科大学・第2外科
pp.488-489
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221591
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■概念
1955年Zollinger & Ellisonが,①胃全摘術以外の潰瘍治療に抵抗し,②著しい高酸分泌に起因する十二指腸・空腸潰瘍と,③膵島腫瘍のtriasを示す2症例の報告を行った.1960年Gregoryはその病態にgastrinの関与を報告し,以後病態の解明とともに,Zollinger-Ellison症候群(ZES)はgastrin産生腫瘍(gastrinoma)による高gastrin血症と胃酸の過剰分泌に起因し,難治性再発性消化性潰瘍を招く病態を意味するようになった.近年古典的なZESのtriasを呈するnon-gastrin scretagogue producing pancreatic tumorの報告1)もあり,その概念の見直しが必要となってきているが,本章では従来通りgastrinomaとしてのZESに対する診断,治療について述べる.
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